アクティクラブで実践している楊家(楊式)太極拳について説明します。
※楊家太極拳は楊家家伝の太極拳を指します。
楊家(楊式)太極拳の種類
アクティクラブでは、鶴(初級)、虎(中・上級)、蛇(楊家家伝)の形(かた)に分けて学んでいきます。
鶴形(つるけい・クレーンスタイル)
一般的な楊式太極拳と似たようなスタイルですが、当会では、蛇形の姿勢や身体操法を簡易にして、初心者でも始めやすい入門・初級形として位置付けしています。
この形は、ゆったりと流れるような動きで氣持ち良く形を通すことができます。
楊澄甫(楊家三代目)が国民の体力強化の目的で一般向けに普及したと言われています。
虎形(こけい・タイガースタイル)
一般的な楊式太極拳と比べると、足のスタンスを横に広くとり、腰も低く落とすので、鶴形よりも難易度が高くなります。
ステップの際に蹴りが入るので、見た目も武術的な形になります。
蛇形(じゃけい・スネークスタイル)
楊家の家伝で、片足重心になるのが特徴。
独特の身体操作を得ることで、実践することが可能になります。
アクティクラブでは、「揺禅(ようぜん)」で高度な身体操作を養ったのち、習得が可能になると考えています。
楊家太極拳の歴史
『太極拳』発祥の言われは、中国の南宋・元・明代に生きたとされる張三丰(ちょうさんぽう)が武当山で修行し編み出したという説や、清代の楊露禅(第一代宗師)の時代に王宗岳の武術理論である『太極拳論』から取って『太極拳』と呼ばれるようになったという説など、諸説もろもろあります。
楊家太極拳は、楊露禅(第一代宗師)、楊健侯(第二代宗師)、楊澄甫(第三代宗師)と代々受け継がれ、楊守中(第四代宗師)の時代に一族(一家)は香港へ移り住みます。
楊守中宗師の唯一の息子が日本軍の戦闘機の攻撃により亡くなられたので、香港で弟子になった葉大徳老師が楊家太極拳第五代目正伝人となり、ここで初めて楊家から外に家伝が移ります。
その後、息子がいなかった葉大徳老師の元に、太極拳を学びに来られたアメリカ人のBob Boyd(包徳輝)先生が入室弟子となり、第六代目正伝人となられます。
Bob Boyd(包徳輝)先生が第六代目正伝人となられ、一族の中で一子相伝だった家伝の蛇形の存在が初めて公表されました。
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2009年9月、旧アクティクラブ代表の先崎高弘先生が、Bob Boyd先生より楊家蛇形太極拳を伝授され、第七代伝人として Master Teacher の称号と日本における正式代表の地位を与えられました。
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ところが、先崎高弘先生は2022年12月27日に永眠されました。
新アクティクラブでは、その訃報をBob Boyd先生に伝え、2025年にヨーロッパでお会いする予定でおりました。
しかし、そのBob Boyd先生も2024年6月21日に亡くなられてしまいました。
その後は、Bob Boyd先生の入室弟子の3人が第七代目正伝人となっています。
日本での楊家蛇形太極拳の発展のために、生前のBob Boyd老師から、最後の入室弟子で第七代目正伝人のひとりであるMarcel Friederichs(馬靖)先生を紹介していただいておりました。
現在、アクティクラブではMarcel Friederichs(馬靖)先生との親交を深めています。
参考資料:
香港楊式太極拳總會/楊家太極拳伝承/正脈承伝 https://www.yangstaiji.org/?page_id=305
Ip Family Snake Style/Discipleship http://www.ipfamilytaichi.org/discipleship/
書籍『Snake Style Tai Chi Chuan:The Hidden System of the Yang Family』(Bob Boyd著、2012年)
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